2015年4月23日木曜日

九十三投目 ピピ、大空に消えた…の巻

それは突然の出来事でした。
玄関のドアが大きく開いた瞬間、ピピちゃんは私の左肩から飛び立ってしまったのです、、、



スリッパのまんまで庭へ走り出て「ピピっ‼︎」と呼ぶと、一瞬目が合いましたが、ピピは青い青い大空を選び、そのまま空に消えて行ってしまいました、、、
見回しても見回しても、もうどこにも姿はありませんでした。

慌てて朝風呂中の旦那さんに言うと、ザッバーンと湯船から飛び出してきて床を水浸しにしながらその辺にある洋服を着て外へ、、、

ピピ、ピピ‼︎、と呼んでも呼んでも、見えるのはカラスや、他の鳥たち。

ピピが見えなくなった辺りを旦那さんが自転車でまわってきましたが姿はなく、、、
とりあえずご近所の家々を一軒一軒聴き込みしてまわることにしました。

ピピがウチへ来てから7週間弱、もうすっかり家族の一員になっていました。

パタパタって肩まで飛んでくる姿や、ピャア!って甘えた声で鳴く場面が脳裏に浮かんできては、もう二度と会えないのかと思うと涙があふれてきます( i _ i )

しくしく泣きながら足取り重く歩く私に相反して、「しっかりしないと!ピピを見つけたいんだろ?」と旦那さんがキビキビと行動します、、、私ってダメダメだぁ〜(>_<)

ご近所の皆さんはとても親切で、探しに外へ出てきてくださる人も何人か居たりして、自分たちはこんなに人情味あふれたいい所に住んでいたのか、と再確認させられました、、、


聴き込みをすすめるうちに、貴重な情報をゲットしました、
ウチの真裏の家の人の目撃によると、
「8時20分頃、この辺では見たことのないような鳥がカラスに追い掛けまわされて、そこのビニールハウスの上や低い木々の上を飛び回って逃げていて、あの車の後ろあたりに姿が消えて、そこをカラスが見下ろしていたから、、、もしあの鳥がそうなら、たぶんダメでしょうね」と、、、

そんなこと、とても信じたくないけれど、、、とにかく探すしかありませんでした、、、


ピピ‼︎ピピ‼︎
名前を呼んだらいつものように応えてくれるかもしれない、私たちは目撃情報付近の川沿いの草むらも探し歩きましたが、見つけることはできませんでした。

やっと遅めの朝食を取って、探すなら早い方がいいと促されるまま、もう一度探しに出てみました。

ご近所の聴き込みをして、もう一度、あの川沿いの草むらへ、、、
ちょうど、隣人の奥さんに話しかけられたので立ち止まり、ピピがこの辺でカラスに追われたらしいことを話していると、、、

「ピャア!ピャア!」と聴き慣れた声が⁉︎⁉︎⁉︎

見下ろすと、なんと、草むらから、ピピが走り出てきました!私たちの方に向かって‼︎。・°°・(>_<)・°°・。

「ピピ‼︎」、旦那さんが素早くピピを抱き上げました。ピピです、本物の‼︎

大空を大冒険して、私たちのところへ帰ってきてくれました。しかも無傷で‼︎
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

奇跡だと思いました。
もう、絶対はなしたりしません。


大冒険で疲れ切ったピピは、朝ごはんを食べて、私の肩で爆睡してしまいました。

いつも居る、いつもの風景が、こんなにもありがたく幸せなものだったなんて。

以来、旦那さんと私は、ピピが草むらから出てきたあの感動的なシーンを何度も何度も思い出しては、ホロホロと涙してしまうのでした(笑)。


ゆき書。










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